会長挨拶
本会は、犯罪者及び非行少年の矯正教育に関する諸問題を研究し、その進歩発展に資することを目的として、昭和39年(1964年)に発足しました。間もなく、60年という節目の年を迎えようとしています。この機会に改めて、関係各位のご理解とご支援に深く感謝申し上げます。
さて、本会の目的をもう少し具体的に申し上げますと、少年院、刑事施設等における少年や受刑者に対する教育をはじめ、更生と社会復帰を支援する様々な活動について調査研究を行い、その充実強化に寄与することを目指すものです。
会員は、発足当初から、少年院に勤務する法務教官が大多数を占めてきました(私自身も、40年近く前に法務教官として就職し、長年、少年院で仕事をしてまいりました。)。その後、20年ほど前から刑事施設職員に、さらに近年はこの分野に関心を有する大学研究者、施設の外部協力者の皆さんにも、徐々に入会していただくようになりました。
本会の活動の特徴の一つは、先に触れた目的からも推察されるとおり、施設における現場の実践を研究し、その成果をまた実践に生かしていく、いわば実践と研究の循環にあると考えています。その営為は、端から見ると泥臭く、また牛歩のごとく見えますが、これからも大切にしていくべき姿勢であるように思います。一方で、そこにのみとどまることなく、現場からは見えにくい別角度からの視点や領域外の各分野の新たな知見を求め、それらを積極的に取り入れていくという姿勢も、とても大切です。
その意味から、今後更に多くの皆様方に参画いただき、本会における研究・議論が一層活発化していくことを願っています。このホームページもその契機となれば、うれしい限りです。
ところで、2021年の少年法等改正に続き、2022年は、刑法が一部改正されました。拘禁刑が新たに導入されることとなり、改善更生を図るため必要な指導を行うことができると明記されました。少年院のみならず、刑事施設における教育・支援の充実が、待ったなしで求められていると言えるでしょう。このような状況を踏まえ、本会も、そのことに貢献できるよう、鋭意努力していきたいと思います。
結びに、本会の活動が、少年の健全育成、受刑者の再犯防止、ひいては、我が国社会における犯罪被害の減少に結び付くことを願いつつ、簡単ではありますが、ごあいさつとさせていただきます。
日本矯正教育学会会長 木 村 敦
1.沿革等
設立
昭和48年
会員数
約1,300名(令和5年3月現在)
事務局所在地
東京都中野区新井3-37-2矯正会館
沿革
昭和39年 | 「矯正教育研究会」が発足 |
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昭和40年 | 矯正教育研究会第1回開催 |
昭和41年 | 『矯正教育研究』第1巻発行 |
昭和48年 | 名称を「日本矯正教育学会」へ改称 |
昭和49年 | 日本矯正教育学会第10回大会 |
昭和59年 | 日本矯正教育学会発足20周年記念大会 |
平成元年 | 日本矯正教育学会発足25周年記念大会 |
平成6年 | 日本矯正教育学会発足30周年記念大会 |
平成27年 | 日本矯正教育学会50周年記念誌発行 |
2.活動内容
日本矯正教育学会は、会則・諸規定を定め、これに従って運営されています。
主たる活動としては、年に一度、大会を開催するとともに、機関誌「矯正教育研究」を年1回発刊しています。
日本矯正教育学会会則
改正 昭和63.10. 1、 平成 5.10. 1
平成 7.10. 6、 平成 8. 9.27
平成12. 9.29、 平成16.10. 1
平成22.9.22、 令和6.3.25
第1章 名称及び事務所
第1条 本会は、日本矯正教育学会と称する。
第2条 本会の事務所は、東京都中野区新井3-37-2矯正会館内に置く。
第2章 目的及び事業
第3条 本会は、犯罪者及び非行少年の矯正教育に関する諸問題を研究し、その進歩発展に資することを目的とする。
第4条 本会は、前条の目的を達成するため、次の事業を行うものとする。
- 会員の研究促進を目的とする学術集会の開催
- 機関誌の発行及び矯正教育に関する資料の提供
- 関係諸団体との連絡
- その他本会の目的を達成するために必要な事業
2 機関誌編集に関する規程は別に定める。
第3章 会員
第5条 本会の会員は、次に掲げるものとする。
- 正会員 本会の趣旨に賛同し常任理事会の承認を経て入会した者
- 賛助会員 本会の事業に財政的援助をなすもので、会長が承認した者
第6条 会員は、本会が営む事業に参加できるとともに、本会の編集出版物について、無料配布又は優先配布を受けることができる。
第4章 役員
第7条 本会に次の役員を置く。
- 会長 1名
- 顧問 若干名
- 理事 30名(うち1名を理事長、若干名を常任理事とする。)
- 監事 2名
- 幹事 15名以内
第8条 会長は、理事の推薦により、総会において定める。
2 会長は、会務を総理し、本会を代表する。
3 会長に事故があるときは、理事長がこれを代行する。
第9条 顧問は、会長が理事会に諮り、これを委嘱する。
2 顧問は、本会の重要会務に関し、会長に対して意見を具申する。
第10条 理事は、次に掲げるものとする。
- 第2項第1号に定める各地区ごとに、正会員の互選により選出された者
- 会長の推薦により、理事会の承認を得た者
2 理事の定員は次のとおりとする。
- 第1項第1号の理事の選出時の定員
関東甲信越地区5名 近畿地区3名 東海北陸地区1名 中国地区1名
九州地区2名 東北地区1名 北海道地区1名 四国地区1名 - 第1項第2号の理事の定員 第1項第1号の理事と併せて30名以内
3 理事は理事会を組織し、会員を代表して本会の重要事項を審議する。
4 理事長は、会長が理事会に諮りこれを委嘱する。
- 理事長は、会長の監督の下に、本会の会務を統理する。
- 会長は、理事長に差し支えあるとき又はその他必要があるときは、常任理事会に諮り、常任理事の中からその職務を代行する者を指名することができる。
5 常任理事は、理事の中から理事長がこれを委嘱する。
6 常任理事会は、理事長及び常任理事をもって構成し、会務に関して、会長の諮問に応じるとともに、その常時執行の任にあたる。
第11条 監事は、理事長が理事会に諮り、これを委嘱する。
2 監事は、本会の会計及び事業を監査する。
3 監事は、理事を兼ねることはできないものとする。
第12条 幹事は、理事長が常任理事会に諮りこれを委嘱する。
2 幹事は、庶務、会計、機関誌の編集及び学術集会事務を分掌する。
第13条 役員の任期は、3年とする。ただし、再任を妨げない。
2 補欠によって就任した役員の任期は、前任者の残る任期間とする。
第5章 会議
第14条 本会の会議は、総会、地方会、理事会及び常任理事会とする。
第15条 総会は、毎年1回開催し、学術集会及び議事を行うものとする。
2 総会議事は、次の議題について審議する。
- 役員の任免
- 会計及び事業の報告
- 事業及び収支予算の計画
- 理事会が、総会において諮ることを適当と認めた事項
第16条 地方会は、各地区ごとに適宜これを開催する。
第17条 理事会は、毎年1回開催し、必要があるときは、臨時にこれを開催する。
2 常任理事会は、理事長が必要と認めるときに随時これを開催する。
3 理事会及び常任理事会は、会員を招集するいとまのないとき、その他やむを得ないときは書面による表決を行うことができる。
第18条 総会、理事会及び常任理事会の議長は、出席者の互選によるものとする。
第6章 会計
第19条 本会の経費は、会費、助成金、寄付金及びその他の収入をもってこれに充てる。
第20条 正会員の会費は、年額1,500円とし、4月中に当該年度の会費を納入するものとする。
2 賛助会員の会費は、年額1口10,000円とする。
第21条 本会の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日で終わる。
第7章 事務局
第22条 この学会の事務を処理するため、事務局を置く。
2 事務局長は、理事長が理事会の承認を経て任免する。
3 職員は理事長が任免する。
第8章 会則の改正
第23条 本会の会則の改正は、理事会の議を経て、総会の承認を得るものとする。
本会則は、昭和41年10月16日から施行する。
附則
本会則は、平成5年10月2日から施行する。
附則
本会則は、平成6年4月1日から施行する。
附則
本会則は、平成7年10月7日から施行する。
附則
本会則は、平成9年4月1日から施行する。
附則
本会則は、平成12年9月29日から施行する。
附則
本会則は、平成16年10月1日から施行する。
附則
本会則は、平成22年9月22日から施行する。
日本矯正教育学会倫理綱領
日本矯正教育学会会員(以下「会員」という。)は、すべての人の基本的人権を尊重し、再犯・再非行の防止と社会の福祉に貢献することを目的として、犯罪者及び非行少年の矯正教育に関する研究活動を行う。
このため、会員は、専門家としての責任を深く自覚し、矯正教育に係る専門性及び研究水準の維持・向上に努めなければならない。
以上の趣旨に基づき、会員が遵守すべき綱領を定める。
- 会員は、各種法令はもとより、所属する機関・団体等の定める規定に従って研究活動を行わなければならない。
- 会員は、研究活動を推進するに当たって、研究対象者(以下「対象者」という。)に係る基本的人権の尊重に特に留意し、研究による不利益を及ぼすことのないよう配意しなければならない。
- 会員は、研究活動を行うに当たり、原則として、対象者にその目的や内容を説明し、同意を得なければならない。
- 会員は、研究活動の過程で得た資料の中に個人が特定され得る情報が含まれる場合、その管理に細心の注意を払わなければならない。
- 会員は、研究活動の結果を公表する際は、以下の事項に留意しなければならない。
- 事例又は対象者等著作物を公表する際は、個人が特定されることのないよう必要な措置を講じ、プライバシーの保護に万全を期すこと。
- 研究活動のもたらす社会的、人道的意義に十分配慮し、専門家としての責任を自覚して行うとともに、公表内容は科学的根拠に基づき、虚偽や誇張、歪曲等のないようにしなければならない。
附則
本綱領の制定及び改定は理事会において行い、総会の承認を得るものとする。
本綱領は、平成23年9月21日から施行する。
編集委員会規程
第1条 日本矯正教育学会は、会則第4条の2に基づき、機関誌「矯正教育研究」を発行するために編集委員会を置く。
第2条 編集委員会は、会長が常任理事会に諮り、委嘱した編集委員によって構成する。
2 編集委員は、6名とする。ただし、うち最低1名は常任理事を充てる。
3 編集委員会には、委員長1名、副委員長1名を置く。委員長及び副委員長は、編集委員の互選により選出する。
4 委員長は、委員会を代表し、編集会議の議長となる。
5 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故がある場合は、その職務を代行する。
第3条 編集委員の任期は、1年とする。ただし、再任を妨げない。
第4条 編集委員会は、全委員が出席する編集会議を毎年1回以上開き、編集方針その他について協議するものとする。
第5条 編集に関する規程及び投稿に関する要領は、別に定める。
第6条 編集に関する事務は、本学会事務局において処理し、理事会及び総会へ報告するものとする。
第7条 編集委員会は、編集についての事務を担当する、若干名の編集幹事(事務局)を置くことができる。編集幹事は、編集委員会の審議を経て、常任理事会に諮り、理事長が委嘱する。
第8条 編集委員会の事務局は、本学会事務局内に置く。
附則
この規程は、平成9年4月1日から施行する。
この規程は、平成12年9月29日から施行する。
この規程は、平成16年10月1日から施行する。